離婚した・・・夫婦共有名義の住宅ローンどうしよう
こんな人のための記事です。
「夢のマイホームを建てたけど離婚した」
夫婦共働きが主流の世の中、共有名義で住宅ローンを組んでいる人も少なくありません。しかし、2人で購入したマイホームは離婚の際に悩ましい問題のひとつです。
残った住宅ローンはどうするのか、今後も住み続けるのかなど悩みは尽きません。
この記事を読むことで、共有名義の住宅ローンを解消する方法や手続き、リスクについての知識が得られます。
共有名義から単独名義への変更を考えている方には、手続きのポイントや注意すべきリスクを把握し、スムーズに名義変更を進めるための情報をお伝えします。
住宅ローンの名義変更に関する疑問や不安を解消し、安心して手続きがを進められるように、必要な情報をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
銀行員として、私は企業や個人の融資業務を担当していました。本記事では、住宅ローンの共有名義の解消についてお話しします。
共有名義で借入をした住宅ローンの解消方法
共有名義で住宅ローンが残っている場合、解消する方法は3つです。
- 住宅ローンの残債を一括返済する
- 住宅ローンを単独名義へ借り換える
- 売却を検討する
住宅ローンを共同名義で契約した場合、離婚などの理由により共有名義を解消する必要が生じることがあります。
共有名義の住宅ローンを解消する方法はいくつかありますが、それぞれには独自のリスクや手続きが伴いますので、注意が必要です。以下で、共有名義の住宅ローンを解消する方法とそれに伴うリスクについて解説します。
1.住宅ローンの残債を一括返済する
共有名義の住宅ローンを解消する一つの方法は、住宅ローン契約を解約し、残債を一括返済することです。これにより、共有名義の契約が解除され、残債が完済されます。
ただし、一括返済には多額の資金が必要になるため、負担が大きいというデメリットがあります。また、住宅ローン契約の解約手続きには、手続き費用や違約金などの負担が伴う場合がありますので、事前に確認が必要です。
2.住宅ローンを単独名義へ借り換える
共有名義の住宅ローンを解消する別の方法は、単独名義への借り換えです。
これにより、共有名義の契約を解除し、新たに単独名義の住宅ローンを契約することができます。ただし、借り換えには金利や手数料がかかる場合があり、また新たに審査を受ける必要があるため、十分に検討が必要です。
3.売却を検討する
共有名義の住宅ローンを解消する最終的な方法は、住み続ける予定がない場合には不動産を売却することです。
売却により、住宅ローンを一括返済し、共有名義の契約を解除することができます。ただし、売却には不動産市場の状況や手続き費用がかかるなどデメリットもありますので、売却を検討する際には注意が必要です。
住宅のローン状況や査定価格など現状を把握
離婚に伴い住宅ローンが残っている場合、特に単独での借り換えや売却を検討する際には、現状を把握することが重要です。
以下にその理由をいくつか挙げます。
ローン残高の確認
離婚後に残る住宅ローンの残高を確認することが重要です。ローンの残高によって、借り換えや売却の選択肢が変わることがあります。現在のローン残高が返済可能な範囲にある場合は、単独で借り換えをする選択肢があるかもしれません。逆に、ローン残高が高くて返済が困難な場合には、売却を検討する必要があるかもしれません。
所有権の確認
不動産の所有権の状況を確認することが重要です。不動産の所有権が一方の配偶者にある場合には、借り換えや売却をするためには、所有権の移転手続きが必要となる場合があります。所有権の移転手続きには時間や費用がかかることがあるため、事前に確認しておくことが重要です。
市場価格の把握
離婚後に不動産を売却する場合には、現在の市場価格を把握することが重要です。市場価格を把握することで、売却時に適正な価格を設定することができます。不動産の市場価格は地域の不動産市況や周辺の物件価格などに影響されるため、不動産会社に相談しましょう。
費用の算出
借り換えや売却に伴う費用を把握することも重要です。例えば、借り換えには手続き費用や手数料、違約金などが発生する場合があります。売却には不動産仲介手数料や税金、登記費用などがかかることがあります。これらの費用を把握し、計算することで、借り換えや売却のメリットやデメリットを比較することができます。現状の把握を怠ると、思わぬ費用がかかったり、売却や借り換えがスムーズに進まない場合がありますので、注意が必要です。
ローン契約の内容の確認
離婚後に単独で住宅ローンの借り換えを検討する場合には、元配偶者とのローン契約の内容を確認することが重要です。例えば、元配偶者との共有名義の契約に関しては、一方の配偶者が単独で借り換えをすることができるのか、または元配偶者の同意が必要なのかなどを確認する必要があります。
以上のように、離婚に伴い住宅ローンが残っている場合に、単独で借り換えをするか売却をするかを検討する際には、現状を把握することが非常に重要です。自身の経済状況や不動産の状況、市場の状況などを考慮し、適切な選択肢を検討しましょう。
- 登記事項証明書(登記簿謄本)
- 公図
- 土地の測量図あるいは建物の図面
- 登記権利証または登記識別情報
- 購入時の契約書・重要事項説明書
- 固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書
- 住宅ローン返済予定表
- 本人確認書類
これらの書類を参照することで、不動産の所有権や抵当の状況、土地や建物の情報、購入時の契約内容、固定資産税の評価額、住宅ローンの返済予定などを把握し、査定価格をより正確に把握することができます。
査定は専門的な知識や経験を持つ不動産会社に複数依頼することが推奨されます。
オンラインでおおまかな査定額を知りたい場合は、簡便な机上査定。より正確な査定結果を知りたい場合は訪問査定がおすすめです。
オーバーローン:不動産の査定金額 < ローン残高
オーバーローンとは、住宅ローンや不動産ローンの借り入れ金額が物件の評価額を上回っている状態を指します。つまり、物件の価値に対して借り入れが多くなってしまっている状態です。
オーバーローンが発生している理由
物件の購入時や借入時と比べて下落した場合や借入額が元々の計画よりも増加してしまった場合や追加借入があった場合など、元々の予定を超える借入が行われた場合にオーバーローンになる可能性があります。
オーバーローンのリスク
オーバーローン状態では不動産売却が難しくなる可能性があります。物件の評価額を上回る借入額を返済しなければならないため、売却価格が借入額を下回ると資金が不足し、売却が難しくなることがあります。
アンダーローン:不動産の査定金額 > ローン残高
アンダーローンとは、住宅ローンや不動産ローンの借り入れ金額が物件の評価額を下回っている状態を指します。つまり、物件の価値に対して借り入れが少なくなってしまっている状態です。
アンダーローンが発生している理由
物件の評価額が購入時や借入時と比べて上昇した場合にアンダーローンになる可能性があります。不動産市場の価格上昇による評価額の上昇などが考えられます。
また、借入額が元々の計画よりも減少してしまった場合にアンダーローンになることがあります。内入れなどで借入額が減少した場合にアンダーローンになる可能性があります。
アンダーローンのリスク
アンダーローンの状態では、物件の売却が比較的容易になる可能性があります。売却価格が借入額を下回っても、資金不足のリスクが低いため、売却がしやすくなることがあります。ただし、物件の評価額の変動や借入額の変更によって状況が変わるため、注意が必要です。
共有名義から単独名義に変更する場合の手続き
住宅ローンが残っている状態で共有名義から単独名義に変更する場合の手続きについて紹介します。具体的には住宅ローンの借り換えを行うことになります。
共有名義の住宅ローンを解消するためには、まず債権者(金融機関)との協議が必要です。債権者に連絡し、共有名義を解消して単独名義にする意向を伝えましょう。
債権者からの要求に従って、必要な書類を提出します。例えば、共有名義者の同意書や収入証明書などが必要になることがあります。
債権者は提出された書類を審査し、共有名義者の信用状況や収入などを確認します。審査に合格すると、単独名義への移行が承認されることがあります。
債権者からの指示に従って、必要な書類に署名をし、提出を行います。これにより、共有名義者が住宅ローンから外れ、単独名義になることができます。
共有名義者が住宅ローンから外れた後、単独名義者として新たな契約を締結することが必要になる場合があります。債権者との新たな契約内容についてよく確認し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けましょう。
共有名義から単独名義にする際には、諸費用や手続きに関する注意事項を確認しておくことが重要です。また、信用情報への影響や税金の取り扱いなども確認しておきましょう。
注意: 共有名義の住宅ローンを解消して単独名義にする手続きは、金融機関や地域によって異なる場合がありますので、必ず債権者や専門家に確認をしてから手続きを進めるようにしましょう。
共有名義から単独名義に変更することで生じる税金や手数料等
共有名義から単独名義に変更する際には、一定の税金や手数料が発生する可能性があります。
共有名義から単独名義に変更する際には、不動産の所有者の変更を登記するための登録免許税が発生することがあります。この税金の額は、不動産の所在地や取引価格に応じて異なります。
共有名義から単独名義に変更する場合には、譲渡所得税が課される可能性があります。これは、所得税法に基づいて、不動産を譲渡したことによる所得に対して課される税金であり、売却価格と取得価格の差額に対して課税されることが一般的です。
共有名義から単独名義に変更する際には、登記の手数料や印紙税、司法書士や弁護士の手数料などの費用が発生することがあります。
変更前後の税金や手数料の詳細な計算や支払い方法については、税理士や弁護士などの専門家に相談し、確認することが重要です。
まとめ
共有名義で借りた住宅ローンを解消する方法には、以下の3つの方法があります。それぞれの方法にはメリットやデメリットがありますので、自分の状況に合った方法を選ぶことが大切です。
- 住宅ローンの残債を一括返済する: 共同名義で借りた住宅ローンを解消する一つの方法は、契約を解約し、残債を一括返済することです。ただし、一括返済には返済額や手続きに関する手数料がかかることがありますので、注意が必要です。
- 住宅ローンを単独名義へ借り換える: 共同名義で借りた住宅ローンを個人名義に変更する方法もあります。個人名義の住宅ローンの金利や返済条件が異なる場合があるので、比較して判断する必要があります。
- 売却を検討する: 共同名義で借りた住宅を売却することにより、住宅ローンを解消する方法もあります。売却には売却手続きや手数料がかかることがありますので、解約コストを考慮して判断する必要があります。
これらの方法を選択する際には、現在の住宅ローンの状況や査定価格を把握し、専門家に相談することが大切です。また、解約に伴う税金や手数料などの費用も忘れずに考慮し、総合的に判断することが重要です。自分に合った解消方法を選び、スムーズに解決を目指しましょう。